豊橋鉄道
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駅前〜赤岩口・井原〜運動公園前 営業キロ：5.4km（複線3.6km、単線1.8km） 全線 軌道線(全区間 併用軌道) 軌間：1067mm 電圧：DC 600V 表定速度：13.1km/h |
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豊橋駅前にある駅前電停は、JRの改札口（とりわけ新幹線）からは多少距離があるものの、ペデストリアンデッキと地下道に直結しており、評判どおり解りやすくインパクトのある構造です。駅前電停には自販機があって、はじめての訪問でも非常に親しみやすい印象でした。駅前電停は多くの路面電車同様に、乗車ホームと降車ホームにはさまれた単線になっています。従って乗降がすむと電車はすぐに折り返していきます。写真は駅前電停にとまる780形電車です。1997-98年に製造されたまだ新しい車両で、岐阜市内線が廃止になった時に全ての車両が豊橋に移籍してきました（2005）。ステップつきの構造ですが、鉄道線直通に対応した高速性能で、連結運転にも対応していました。豊橋に移動してきてからは連結器は外され、市内線をのんびりと往復しています。
駅前を出ると、すぐに複線になって、しばらくは大通りの中央を走ります。いくどか交差点を曲がるものの、東八町まではセンターポール化（中央分離帯つき）されていて、美しい景観です（右写真）。電停自体は若干狭い印象を受けたのですが、屋根もついたしっかりとした構造です。道路の余裕もあるため、拡幅の余地は十分にありそうです。駅間も短いので表定速度（13.1km/h）は決して速くはありませんが、乗車した印象では非常にスムーズに走行していました。中央分離帯のおかげで、右折車による進路妨害を受けにくいことが効いていると思われます。写真はセンターポール区間を走行する3500形電車です。元都電の7000形で、それほど新しい車両ではありませんが、時代を先取りした軽快電車スタイルということもあって古さを感じさせないデザインです（1970年代の更新車）。豊橋への移籍にあたって、ステップのとりつけや軌間（1372→1067mm）の変更など大規模な改造が行われてます。
東八町を過ぎると道幅が狭くなり、センターポールもここで終わりとなります。軌道の両脇に1車線といった具合で、東田電停と競輪場前電停にいたってはマウンドアップされた安全地帯のないノーガード電停となっていました（2009年現在、ノーガード電停は東田のみ）。私が訪問した（2004, 2005年夏）は、競輪場前電停もノーガード電停でしたが、現在では単線化の上で屋根つきのホームが確保されています（ただし単線化のため所要時間増）。競輪場前電停には小さな引込み線があって、軒先に電車が留置されています。
競輪場前をでると、単線となります。井原電停で運動公園前方向への支線が分岐しますが、ここは日本で最急カーブとして有名なところです（左写真）。おかげで低床構造を持つ800形とT1000形は支線へは入線できません。運動公園前一駅しかない短い支線（0.6km）で道路中央に単線の軌道がひかれています。一方、本線の方も、ほどなく終点、赤岩口に到着となります。電停の先にも少しだけ線路が延びていて、スイッチバックする形で車庫に入る線路が通じています。電停の横にはちょっとしたバスターミナルもあって、バスへの乗換えが出来るようになっていました。なお、電車の運転は、基本的に「駅前〜赤岩口」と「駅前〜運動公園前」がそれぞれ一時間4本ずつ交互に運行されており、井原より手前は、7−8分おきと比較的本数の多いものとなっていました。
（2009.2.4）
豊橋市内の路面電車を運営する豊橋鉄道は、鉄道線も運営しています。路面電車には、「東田本線」の名前も付けられていますが、豊橋鉄道の公式サイトにも記されている通り「豊橋市内線」とも呼ばれています。5km強のミニ路線ですが、1980年代唯一の路面電車延伸（井原〜運動公園の約0.6km）を行ったり、全国に先駆けて1998年に駅前ターミナルへの延伸（結節改良の第1号）を行ったりするなど、何かと注目される路線です。駅前ターミナル乗り入れでは150ｍほどの路線延長が行われ、電停はペデストリアンデッキと地下道でJR駅舎と直結され、アクセスが格段に向上しました。車両はかなりの年代物が多い印象でしたが、1990年代には都電荒川線からの譲渡車（7000形更新車）を導入、2005年には名鉄（岐阜の廃止路線より）から新型車両を大量導入、2008年にはオリジナルの超低床LRVを導入するなど着実に近代化が進んでいます。